園長の珍しくまじめな話

セカオワのHabitを聴きながら 

 

私は園長であると同時に、児童発達支援「おおきな木 基山キャンパス」の代表でもあります。

結局そこでも「えんちょ~せんせ~」と呼ばれてはいるのですが(^^)

 

3か月に一度「おおきな木通信」というのを発行していて、「えんちょ~だより」というコーナーに連載しています

 

 

で、今回のはちょっとちびはるのブログにもアップしてみました

 

 

 

 

 

 

セカオワの「Habit」を聴きながら

 

 

私は発達障害という言葉も概念も何もなかった昭和50年代に学校に行きました。

また、保育園を開園した22年前も今とは発達障害に関する認知が全く違いました。

例えば自閉症という言葉は聞きましたが、その一部だけが切り取られた形で認識されていたように思いますし、座れない子はマルっと「多動」の一言で分類されていたように思います。

若い保護者の方々はバリバリの昭和な私とは違うと思いますが、それでもこの10年程度で発達障害というのは、そんなに珍しいことではないと認知されてきた流れは感じていらっしゃると思います。

療育に通うというハードルも施設数が増えたことにより、だいぶ下がったのではないでしょうか。これからそのハードルはもっと下がってくると思います。

 

さて、子どもの発達特性の認知が拡がると今度は大人の発達特性が話題になってきます。空気が読めずに会社内でみんなとうまくやれなかったり、時間を守れないとか締め切りを守れないとか。以下はADHDやASDのチェックリストの一部です。

〇物をなくしたり置き忘れたりする

〇集中が持続しない

〇注意散漫でケアレスミスが多い

〇整理整頓ができない

〇優先順位をつけるのが下手

〇 朝起きるのが苦手

〇視界に何か入ったり周りの音で注意がそれる

〇依頼、指示、約束などを忘れやすい

〇物事が長続きしない

〇順番待ちが苦手

〇不安を感じたりイライラしたりパニックになったりする

〇自分に自信が持てずやる気が出ない

〇職場や家族から叱られたり否定されたり、自分のことを理解されていないと感じる

〇根回しは苦手

〇同時に二つ以上のことはできない

〇グループより一人でいる方が気楽

〇心を許せる友達が少ない

 

 

 

これ、みなさんどうですか? 当てはまることないですか? 私は結構当てはまります笑

 

 

つまり発達障害という概念がなかった私のような時代の者は「自分は定型発達だ」と思い込んで生きてきていると思うけど、こうしてみると自分もまぁまぁだな、と。

そして(ここからが私が言いたいことなのですが)

「みんな何かしら苦手があったり、集団で生きにくさを感じたりしながら大人になってきてません?」

「時としてそのせいでむっちゃ孤独を感じませんでした?」

「大人になっても、明らかに苦手なことってありますよね?」

 

 

では、その自分の苦手からくる生きづらさをどうすれば軽減できるでしょうか。

 

 

 

発達障害だグレーだ定型だ、という分類自体に(分類作業のみに)意識を注ぎ過ぎ一喜一憂するのではなく

「身の回りの人の苦手に寄り添い、自分の苦手に寄り添ってもらう」というシンプルなこと。言うならば「普通の優しさ」。

SDGsで「誰一人取り残さない社会」と国連で宣言され、多様性を認め合う社会にしていこうとしている今、根性論の押し付けやしつけの問題だと言われた昭和よりずっと良い社会になっています。

分類を恐れるのではなく、子どもや自分自身の人生の快適さを考えていきたいですね。